チャウ・シンチーの「カンフー・ハッスル」
昔からチャウ・シンチーが大好きだった。その理由は、にくめないあの笑顔!

さて前作「少林サッカー」では大いに笑わせてくれたことと、ハリウッド映画(コロンビア)と手を組んでの作品なので、期待を持って「カンフーハッスル」を観た。

確かにあのキャッチコピー、「ありえねー」っていうのは間違いない。めくるめくワイヤーアクション、42歳と思えないチャウ・シンチーの鍛えられた腹筋(これは「ありえない」のではなく、割れているのは本物とのこと。日ごろの努力に敬意)、アパートの持ち主である武術の達人夫婦のアクション、続々出てくるギャグ・・・でも少々物足りなかったと感じたのは、前作に比べてストーリー性に欠けていたところ。

突然正義に目覚め、カンフーが強くなったところが、ちょっとわかりにくかったことや、幼少の時に出会った女性とのストーリー性が、いまひとつ盛り上がりに欠けていたところとか。

まあ、細かいところは気にせず、笑えるところで笑って、チャウ・シンチーのギャグを楽しむことが1番よい見方なのかも。

元々香港映画は「娯楽性」が強い。それは香港という国(今は中国の特別区だが)が持つ風土が創り出したと思う。中国から難民が押し寄せてきた70年代以降、貧富の差が激しく、日々の生活に一生懸命汗水流して働いている多くの人がいた。97年の香港返還が迫り、「残された時間」の中、何かあった場合にカナダやアメリカ、オーストラリアに移民するため、お金を貯める人、国を出るほどの蓄えがなくて留まる人、香港が好きだからと住み続ける人・・・国の制度が大きく変わる時を目前にし、多くの人に不安が影をさす中、香港映画は、香港に住む人々にとって心の拠り所となっていた。ジャッキー・チェンやチョウ・ユンファといった芸能人は、香港の人々から愛されてこそ、「明星」(スターの意)となっていったのである。

チャウ・シンチーは、確か中国で生まれ、香港に移民してきたのではないかと記憶している。俳優養成所を卒業し、コメディアンとして地元のテレビ番組で子供向けの番組に出て人気を博したのだが、なぜか子供をいじめるギャグがかなり受けていたとか。日本ならばPTAのお母さんたちからバッシングされそうだが、そんなギャグをやるのがいかにもチャウ・シンチー・・・って思いませんか?

そんな香港映画のDNAとチャウ・シンチーらしさを考えてみると、いかにハリウッド資本が入っていても、これはアジアの人々(特に中国圏の)向けに製作されたローカライズ作品だったのではないか!?もちろん経済発展著しい、中国という巨大市場に向けられた試みとして。
この映画について、「ストーリー性がない」「というのは、ドタバタコメディが支持されてきた香港映画の本質とは違う土俵での批評になっているのかもしれない。

チャウ・シンチーには俳優としても、製作者側としても、突飛なキャラクターのまま突っ走り、香港から中国映画圏を盛り上げて欲しいと思う。
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by small-cherry | 2005-01-21 10:34 | 映画・ドラマ
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